1998年にプレイステーション向けに発売された『チョコボの不思議なダンジョン2』は、スクウェア(現スクウェア・エニックス)が手がけたローグライクRPGです。
これまで未プレイでしたが、「名作と呼ばれるゲームを今こそ体験してみよう」というシリーズ企画の一環として、初めて本作に触れてみました。
結論から言えば、「初心者向け」とされるバランスの中にも、しっかりとした戦略性と緊張感があり、ジャンルの入口としてふさわしい作品だと感じました。
■ ローグライクにおける“優しさ”と“厳しさ”
本作はダンジョン探索を主軸としたローグライクRPGで、入るたびに構造が変化するダンジョン、アイテム管理の重要性、そして倒されれば一部を失うリスクといった、ジャンル特有の要素を備えています。
ただし、いわゆる「トルネコ」や「シレン」といった高難度作品に比べると、ややマイルドな調整がされており、理不尽さはあまり感じませんでした。
とはいえ、プレイしてみると意外と手強く感じる場面も多く、特に装備の耐久値の存在が印象的です。武器や防具には使用回数のような概念があり、使い続けると壊れてしまうため、こまめに修理しながら進める必要があります。
無計画に戦うとすぐに装備が壊れてしまうため、慎重なプレイが求められます。これはテンポをやや損ねる一方で、「装備を育てる」という別の楽しさを生み出していました。
■ 親しみやすい世界観と物語
ストーリーは非常にシンプルで、記憶を失ったチョコボが、仲間のシドやモーグリたちとともにダンジョンを巡りながら記憶を取り戻していくというものです。
シリアスな展開や重厚なドラマはありませんが、会話のやりとりやキャラクターの表情に温かみがあり、プレイ中は穏やかな気持ちになれる場面も多くありました。
ファイナルファンタジーシリーズに馴染みのある人であれば、チョコボやモーグリたちの登場だけで楽しめるでしょう。演出も柔らかく、全体として親しみやすい空気感が印象的です。
■ プレイ時間と難易度の印象
クリアまでにかかった時間は約16時間。
何度かダンジョンに潜り直してアイテムを集めれば、ボスも十分に攻略可能です。特に魔石やカードなどの補助アイテムをうまく活用することで、厳しい場面も切り抜けられる設計になっていました。
「初心者向け」とされる作品ですが、装備管理を怠ると一気に苦しくなるあたり、決して油断できるゲームではありません。
その分、歯ごたえのある手応えと、「やり直せば突破できる」という納得感が両立されていて、ゲームとしての完成度は高いと感じました。
■ 総評:優れた“入口”としての価値
『チョコボの不思議なダンジョン2』は、ローグライクに興味があるが難しそうで踏み出せない、という方にこそ勧めたい一作です。
厳しすぎず、しかし気を抜くと失敗するような絶妙なバランス。かわいらしい見た目に反して、しっかりと“考える楽しさ”が詰まっています。
クリア後には「ひみつのダンジョン」というやりこみ要素も用意されていますが、今回は本編クリアまでで一区切りとしました。
それでも充分に満足感のあるプレイ体験でした。
今からでも遅くない。ローグライクというジャンルに一歩踏み出すには、ちょうど良い作品だと思います。
『チョコボの不思議なダンジョン2』をAmazonでチェックする
気になった方は、ぜひプレイしてみてください。中古ソフトやDL版はAmazonでも取り扱いがあります。
👉チョコボの不思議なダンジョン2をAmazonで探す
コメント